名前は明日香、31歳。20歳の時にSM倶楽部の女王様となり25歳で引退。その後は会社員として働きつつ、趣味と実益を兼ねて昔の客や個人的にM男を捕まえてSM調教を楽しんでいたらしい。
ところが最近、調教の構想を練る事に面白味を感じなくなってきた。何ならM男のように何も考えず与えられた命令や調教を享受する方が楽しめるんじゃないかと思うようになった。それで調教される事に興味を抱くようになった、という話だった。
簡単に言えばこの女も俺と同様、日々のSMプレイに飽きてきたらしい。ただ一つ違うのは、俺はまだ調教したい側にいる事、そしてこの女は調教されたい側に回ったという事。
この女の投稿を見つけたタイミングといい、気持ちの変化といい、柄にもないが出会うべくして出会ったのだろうかなんて考えが頭を過ぎった。
もしかしたらこういった思いはこの女も同様に抱いていたのかもしれない。実際に会うに至るまでさほど時間はかからなかった。
実際に会ったのは知り合ってから約10日後の事。
待ち合わせ場所へやってきた明日香はいかにも女王様、といった雰囲気を醸し出していた。
別にそういった格好をしていたわけじゃない。ごく一般的な格好だったが、華やかで凄みのあるオーラがあった。10年以上も女王様をやっていると自然とその風格が出るのかもしれないと思った。
互いにアプリで知り合ってSM調教、という経験はあるので話は早かった。合流して早々、ホテルへ向かう。
「調教されるのは初めてなんだよね?どんな気分?」
「M女になんて成り下がりたくない、という気持ちとそういう思いすら粉々に壊されてみたいと思う気持ちと半々かな」
道中、こんな会話をした。俺は明日香がこれまで築き上げてきたものをどこまで破壊できるだろうか。
そう考えると、単純に楽しみなだけでなく、責任感とでもいうような重圧を覚えた。
ホテルに着くと俺はいつも着ているというボンデージに着替えさせた。
黒のビスチェにハイレグタイプのパンツ。素材は革だろうか。シックな光沢と決して露出度は高くないデザインが品格ある女王様といった印象をより引き立てていた。
「よく似合うね」
「ありがとう」
やっぱり調教される側に立つというのは慣れないのだろうか、明日香は何となく居心地悪そうな所作を見せた。
俺はそんな明日香の頬に強烈な平手打ちを食らわせてやった。
突然の仕打ちに驚きの表情を露わにする明日香。調教はもう始まっている。
「何で引っぱたかれたか分かるか?」
「…敬語じゃなかったから…ですか?」
「ああ、それもそうだな」
「他にもあるだろ。忘れたのか?」
「……」
「最初に言っただろ?お前の生意気な態度を躾け直してやるって」
ここで明日香は腑に落ちた表情を見せた。
「ほら、まずはあの時の非を詫びろよ」
「申し訳ございません…」
「それだけか?お前もM男に謝罪させた事くらいあるよな?こんな謝罪で許したのか?」
明日香は床に膝と手をつく。
「先日は調教される身の分際で生意気な態度を取ってしまい申し訳ございませんでした…!」
土下座姿で謝罪の言葉を口にする明日香。俺はその頭を踏みつけてやった。
「お前はこれから調教される立場なんだって分からせてやるよ」
俺は明日香を立ち上がらせると、裁ちばさみを手にした。
「そのボンデージ。似合っているけど今のお前には相応しくないよな?」
俺ははさみを胸元にあてがった。そしてビスチェに刃を入れる。
両胸の膨らみの頂点を中心に円形に切り取ってやると、乳首と乳輪が露わになった。
同じ要領でパンツにもはさみを入れる。今度はワレメと尻穴が露わになった。
こうして品格ある女王様のボンデージはあっという間に卑猥な衣装に変わり果てた。
元々の露出度が少なかった分、余計に淫猥さが引き立つ。
俺は明日香を鏡張りになっている壁の前に立たせお披露目してやった。
ちなみにこの日は自身の恥ずかしく屈辱的な姿を目に焼き付けさせるために鏡張りの部屋を予約したのだ。
「ほら、お前に似合うようにリメイクしてやったぞ。どうだ?」
「……」
「どうした?不服なのか?」
「まだちゃんと受け入れられなくて…」
明日香は複雑な表情を浮かべた。これまでずっと女王様としてM男を調教してきたこの女にとって、そう簡単に気持ちは切り替えられないという事だろうか。
でもそんな事、俺には関係ない。受け入れられないなら受け入れられるようにするだけだ。それでこそ調教のし甲斐があるというもの。
俺は硬く尖る乳首を摘まんでみた。
「あんっ…」
「そう言う割には感じやすくなってるみたいだな?」
さらに弄ってやると嫌と言わんばかりに首を横に振って抵抗を見せる明日香。でも本気で拒否したり逆ギレしない辺り、続ける意思はあるのだろう。
「今日はその格好に似合うモノを用意してやったぞ」
俺は事前に準備していたものを取り出した。クリップ型のロータ。それを両乳首とクリトリスに装着した。
「どうだ?今のお前にはピッタリだろ」
「恥ずかしい…」
明日香の表情が徐々に屈辱的なものになっていく。最初からM女だと自覚している女はこんな顔をしない、ただ歓ぶだけだ。それだけにその新鮮さが堪らなかった。
「折角だからコレも使ってやるよ」
続いて取り出したのは手枷。俺は明日香の手を後ろで拘束した。
「ますますマゾらしくなってきたな?」
俺は乳首とクリトリスに装着したローターのスイッチを入れてやる。
「んんっ…」
小さい呻きと共に体が僅かに揺れる。
「気持ちいいか?」
鏡越しに明日香を見つめながら聞くと、快感に流されまいとしているのか唇を噛み締めながら小さく一度だけ頷いた。
「お前だけ気持ちいいなんて厚かましいよな?こういう時はどうするんだ?」
「……」
俺の問いに答えはなかった。純粋に分からないのか、見当はついているけど無言の拒否なのか、どちらにも読み取れたが明日香の答えを待つつもりなんてない。
俺はベッドに腰掛けた。
「こっち来いよ」
明日香を呼び寄せると俺はズボンと下着を脱ぐ。
「こういう時は奉仕に決まってるだろ。ほら、しゃぶれよ」
命令したが明日香はただ立っているだけ。どうやら奉仕には抵抗があるようだ。
20歳から女王様をしていたという事だからもしかしたら男のモノをしゃぶるという行為をした事がないのかもしれない。
「さっさとしろよ。それとも命令拒否で折檻されたいのか?」
これでようやく覚悟を決めたのか、明日香は俺の足の間に跪き半起ちになったチンポを咥えた。
はっきり言って奉仕はヘタクソだった。予想通りしゃぶった事がない、あるいは久しぶりなのだろう。
今まで調教してきた女は美味しそうに頬張るのに、この女は顔をしかめながら嫌々しゃぶる。
本来なら許せる態度ではなかったけれど、だからこそ嗜虐心が頭をもたげた。
「ヘタクソだな、ちゃんとしゃぶれよ!」
俺は明日香の頭を掴んで乱暴に前後させた。喉の奥に当たるのか、呼吸が上手くできないのか、明日香の表情が苦痛に満ちていく。
「女王様時代はこんな事しなかったよな?でももうお前は調教される側なんだよ」
「余計な事は考えるな!くだらないプライドなんて捨てて奉仕する事に集中しろ!」
イラマチオをさせながら詰った。するとようやく自ら積極的にしゃぶろうとする仕草を見せた。
“M男のように何も考えず与えられた命令や調教を享受してみたい”と言っていたのは明日香。俺の言葉でそのコツを掴んだのかもしれない。
だからといってその途端に奉仕が上手になったわけでは決してないが、少なくとも嫌々しゃぶるような態度は改められた。
頭を掴んでいた手を離しても自発的に舐めしゃぶる明日香。お世辞にも特別気持ちいいとは思わないけれど、これまでM男をいたぶり調教してきた女が今は俺のチンポを咥えていると思うと気分が良かった。
でもそんな時だった。明日香が身悶える。同時に奉仕をする口の動きが止まった。
その直後、体が大きく揺れ肩で息をし始めた。荒くなった呼吸と鼻息がチンポをくすぐる。
どうやらローターの刺激でイッてしまったようだ。
「イッたのか?」
問うとチンポを咥えたまま頷いた。
「もういい、やめろ」
俺はわざと低めの声で告げた。
「申し訳ございません…」
奉仕をやめた明日香はすぐさま謝罪の言葉を口にした。奉仕の最中に自身が達してしまうのはどういう事か、本人がよく知っているのだろう。
「まともに奉仕も出来ないクセに俺より先にイキやがって」
「申し訳ございません…」
「お前はM男が許可もなく射精したら謝罪だけで許したのか?」
「いいえ…」
「じゃあどうした?」
「お仕置きをしました…」
「だよな?」
「お前が今までM男を調教するのに使った道具、ちゃんと持って来たか?」
「はい…」
俺は手枷を外してやった。
「お前が主にお仕置きで使ってた道具を出してみろ」
「はい…」
明日香は持参したバッグの中から鞭、蝋燭、浣腸器、ニードルを取り出した。
そのラインナップからなかなかハードな調教をしていた事が窺えた。さすが10年以上の経験を積んでいるだけの事はある。
俺はその中から鞭を選んだ。
「ほら、鏡の前で四つん這いになれよ」
奉仕の時とは違い、意外にも素直に這いつくばる明日香。徐々にMの才能が開花してきたように思えた。
俺は明日香のパンツを尻のワレメに食い込ませる。お仕置きし甲斐のある尻が露わになった。
「お仕置きを受ける挨拶くらい出来るよな?」
「奉仕もまともに出来ないクセに先にイッてしまった私にお仕置きをお願いします…」
明日香は覚悟を決めたように尻を突き上げた。
ビシッ!!
「ヒィ…っ!!」
小さく悲鳴を上げる明日香。それでも俺は容赦なく尻を鞭で打ってやった。
「ほら、ちゃんと鏡を見てみろ。何が見える?」
「お尻を打たれる無様な私が見えます…」
「今まで散々M男をいたぶってきた鞭で打たれる気分はどうだ?」
「情けないです…」
「情けない割には自分で尻を突き出して歓んでるように見えるぞ?」
「そんな…恥ずかしい…」
「恥ずかしいじゃなくて嬉しいだろ。感謝の言葉はどうした?」
「ありがとうございます…お尻を打ってくださってありがとうございます…!!」
苦悶の表情を浮かべつつも感謝する明日香。そこにはもう、女王様の姿はなかった。
こうして明日香の調教はお仕置きで幕を閉じた。
明日香を調教する前、もし俺の調教が気に入らなかったり、やっぱり女王様としてM男を調教する方が楽しいと思うようなら一度きりの関係になるであろう事は覚悟していた。
けれどその覚悟は杞憂に終わった。
“お尻の痛みが薄れるにつれて寂しくなる”
“調教を思い出すたびに下半身を疼かせる私がいる”
“M男がチンポを勃起させていたぶられる気持ちが分かった”
調教から数日後、明日香はこんなメッセージを俺に寄越した。これをきっかけに俺達は正式に主従関係となったのだ。
その後の調教では明日香の課題でもあった奉仕もしっかり仕込んでやったし、M男のお下がりバイブでアナルの開発もしてやった。
そして半年後――





